動物との暮らし方

動物たちと新しく生活を始める時には、喜びや期待と共に、食事や病気、予防のことなどに、漠然とした不安を抱くこともあるでしょう。ここでは新しい家族を迎える際に、知っておいて頂きたい基本を簡単にご説明します。動物たちと楽しく幸せに暮らす上で大切な健康管理の基本は、人と同様に「予防」と「病気の早期発見・治療」、そして日々の「運動」と「食事管理」。ただ少し違うのは、動物の基本的な予防医療は定期的に毎年接種が必要である点です。

犬の予防医療
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犬に対する予防接種は、「狂犬病予防」「混合ワクチン」「フィラリア予防」「ノミ・ダニ予防」の4種類です。

1)狂犬病予防

狂犬病予防法によって、生後91日以降の犬には年一回の狂犬病の予防接種と登録(一生に一度)が義務付けられています。生後3ヶ月を過ぎたら毎年必ず一回、予防接種して下さい。

2)混合ワクチン

狂犬病予防と違い義務はない任意の予防ですが、現在、国内に実在する感染症に対する免疫を得るための接種で、これらの感染症の多くは発症すると効果的な治療法が少なく、予防接種は非常に大切です。ワクチンの接種が感染症の予防や症状の軽減に繋がります。当院では5種及び7種の混合ワクチンを扱っています。生後3ヶ月以降、初年度には2~3回、次年度以降は毎年1回の接種が大切です。

3)フィラリア予防

フィラリアは蚊によって媒介される心臓病を引き起こす寄生虫で、フィラリア症は予防や治療を怠ると命を落とす危険な病気です。蚊によって媒介されるため、予防期間は蚊の発生期間、神奈川では4月から12月迄の9ヶ月間です。月に一回の予防薬の投与か注射による予防があります。薬の形態は、錠剤、粒剤やおやつタイプがあります。又、フィラリア予防の前には、毎年フィラリアの抗原検査が必要です。

4)ノミ・ダニ予防

ノミ、ダニが犬に寄生すると、様々な病気やアレルギー症状を引き起こす原因になります。また、稀に人がノミを家に持ち込んでしまうケースや、ノミのライフサイクルが屋内で成立してしまった後の駆除の困難などを考えると、屋外を散歩する犬は勿論のこと、完全室内飼の犬にも予防は大切です。

犬の病気の早期発見・治療
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犬も人間と同じように、糖尿病やガン、心臓病などの生活習慣病から、呼吸器疾患、消化器疾患、関節疾患など、様々な病気に罹ります。その原因も、感染によるものから遺伝や老化によるものなど、これも人と同様に様々です。ただ一つ、人と大きく違うところは、犬たちは言葉で体の不調や病状を訴えられない点。だから明らかな症状に家族が気づいたときには、病気が結構進んでいることも。特に、中年期から高齢期にかけて出る生活習慣病などは。そこで日々の予防医療や、早期発見に繋がる定期健診が大切になります。犬たちの日常のちょっとした気になる動きなど、どんな些細なことでもご気軽にご相談下さい。

高齢犬との暮らし
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動物たちの長寿化に伴い、人と同様に介護が必要になるケースもあります。高齢犬には痴ほう症(ムダ吠え、徘徊、排便排尿の問題など)が出たり、寝たきり状態による床ずれもあり、介護の労力で、飼い主様が精神的・肉体的にも疲労してしまうケースも見られます。“たくさんの楽しい想い出を与えてくれた家族の一員へのお礼の気持ち”が、飼い主様を支えているようですが、毎日の事となるとストレスの蓄積も軽くはありません。当院は、最愛の家族である動物たちを最後まで温かくケアするお手伝いを致します。飼い主様が疲れて苦しい時には、一時的に病院でお預かりすることも可能です。限界まで頑張りすぎず、先ずはご相談下さい。

猫の予防医療
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猫も犬同様に、ワクチンによる病気の予防が大切です。当院では、3種、或いは5種混合ワクチンをお薦めしています。また、完全室内飼いでない場合は、ノミ、ダニの予防もお薦めします。

猫の病気の早期発見・治療
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猫も長寿化により、様々な病気が発症しています。長寿化の結果として、特に注意するのは腎不全。血液を濾過する腎臓の機能が低下し、体に老廃物が溜まり様々な病気を引き起こす怖い病気です。大切なのは早期発見、早期治療ですが、初期の腎不全は見た目の症状が出難いため、日常の観察発見は難しいです。血液検査や尿検査で調べられますから、早期発見のためには、7歳を過ぎたら半年に一度位の定期健診をお薦めします。